つれづれの記

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help リーダーに追加 RSS 『乳と卵』その後

<<   作成日時 : 2008/03/04 19:29   >>

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染井吉野の開花予想が、明日発表されるという。
そして啓蟄なるのに、真冬の寒さがぶり返し、虫らも困惑しそうな・・・・

体調には呉々もご留意下さい。




さて、ぼつぼつとゆっくりと読もうと....

そうなんだけれど、結局のところはあっさり読み終えてしまい、
なんか物足りないって言うか、もっと読みたいって言うか、
そんな感情みたいなものが残りました。


ゆっくり読めなかったのは、もちろん長編ではない、
そのちょうど良い量も理由なんだけれども、何よりの理由は、
区切りがつけられない、その独特な文体に因るところが大きいんです。

一寸中断してまた読み始めようとすると、その場所から、
何ページか戻って読み始めたくなってしまう。

と、そんな訳でこの本を手にしたと書いた次の日には、
読み終えていたのだけれど、そうなんだけれどその感想を書く間がもてず、
出来るなら読んだその高揚感のままに感想を書いてみたかったんですが、
・・・・今ゆっくりと書いているわけです。



やはり特出すべきは、その個性的な文体です。

まるで言葉、文字に、音楽的なリズムが、旋律があるような、
そんな感じがする、シンガーソングライターでもある彼女ならではの文章。

いや、本を開いて、最初の一文字『卵』から最後の『。』までが、
まるで一筆書で描かれた大きな風景画のようで、
近づくと少しも目が離せなくなる、そんな文章。

だけどもその物語りにはさして深みがなく、
だから考えることなく頭に入ってくる、平凡な景色。


それでもこの作品での最大のサビ、
豊胸手術をしようと考えている水商売の母親と、そんな母親が大好きなんだけど、
そんな母親みたいになりたくなくて、大人になることに嫌悪感を抱き、
言葉を話さなくなった、初潮を迎えようとしていて、卵子の事を深く考えている娘。
二人が、心の中を全てさらけ出しぶつかり分かり合う、この場面、行は見事です。



飽くまで、おいらなりの感想ですよ。

まぁ、本としては物語より、文体を楽しむ。そんな作品でした。


その点からするならば
「筋の面白さが作品そのものの芸術的価値を強めるということはない。」
谷崎潤一郎 と有名な論争(らしい....)を繰り広げ、
「話らしい話のない純粋な小説の名手」
志賀直哉 を称揚した(らしい....)芥川龍之介 の名が付いた賞を、
受賞するにふさわしい作品なのかも知れないなぁ。

なんて思ったりもしました。



読み慣れないと、初めは頭が痛くなりそうな目が回りそうな、
そんな文体だけれど、慣れるにしたがい引き込まれてしまう、
力強さと巧みさを感じると思います。

そこからもっと読みたいと思わせる。




ただし、
この本には受賞後初作品となる短編『あなたたちの恋愛は瀕死』
が併録されているのですが、これは.....

彼女の持つ文体の良さが空回りしたような、
なんだろうか・・・・・なんかなぁ・・・・・なんだよね。


まぁ読んでみて下さい。


この後彼女はどんな作風を書いていくのだろうか、
願わくは今の独特な文体のまま、物語の筋の流れに重きをおいた、
そんな作品を、読んでみたいと思うのですが....


そう今度は直木賞候補になるような作品で(笑)

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
銀行で芥川賞をとってもお金を貸してくれませんが、直木賞だと貸してもるえるとか・・・。直木賞作家の渡辺純一さんがおっしゃっていました。それだけ芥川賞は読み手を逆に選んでしまうところがあるのかもしれませんね。明日から札幌ですので、本屋さんに行ってみます^^♪
湖のほとりから・・・
2008/03/04 21:13
☆*:;;;;;:*☆こんばんは☆*:;;;;;:*☆
Naotoさん、読んで最高気分でよかったです。
私は、書店で、立ち読み、30分したの〜斜め読みですぅ。(笑´∀`)
Naotoさんが、言うように難しい文体では、ないけど、私的には、グイグイと引き込まれる感じが、しなかったのね。

多分、私、思うにこの本を賞賛する人は、ほとんど小説家とか、評論家の人は、絶賛してるでしょう。
それだけに素晴らしい文体で書かれてると思うの。
私には、難しいぃよ。
文体じゃなくて、何と言ったら、いいかなぁ?
本の内容かな?
はやり、文体が、私の心に、ビンビンと響いてこないのかなぁ?
それと、この人、オールナイトニッポンで、深夜1時から、3日から、
悩み相談するんだって、前から、一度、してみたいって思ってたからって
PCニュースで出てたから。
Naotoさん、遅い時間だけど、聴いて見てください。
また、違った川上さんに出会えるかもよ。。
♪(゚▽^*)ノ⌒☆
はるみ
2008/03/04 21:20
湖のほとりから・・・さん♪オハヨウゴザイマス。>銀行で芥川賞をとってもお金を貸してくれませんが、直木賞だと貸してもるえるとか・・・。この言葉は直木賞と芥川賞の違いを表すのに的確な表現ですね。(^^ゞそうなんですよね。芥川賞作家は本が売れない。芥川賞を受賞してからその作風を変えた作家も少なくないそうです。あの松本清張氏もそのひとり。
Naoto
2008/03/05 06:51
はるみさん♪オハヨウゴザイマス。芥川賞の作品は純文学。やはりそれなりに癖があるのは仕方ないですね。そのうえ、物語の複雑な展開とか、面白味が少ない作風が多いような。それでも近年は、直木賞候補と芥川賞候補作品にあまり差がないようなことも云われているとか、おいらには芥川賞とか直木賞とか関係なく、ただ手にする切っ掛けにすぎないですが(^^ゞ
Naoto
2008/03/05 07:00

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